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腹式鼻呼吸の極意①: 口呼吸をやめて鼻呼吸をしよう

現代人は呼吸過多に陥っている

食べ過ぎや飲み過ぎがあるように、呼吸のしすぎもあったとしたら?呼吸にも適正量があり、たくさん呼吸をすれば良いわけではなく、むしろ呼吸過多による弊害がさまざまな研究でわかってきています。

正常な呼吸量は、1分あたり4〜6リットルとされています。しかし、多くの人々は気づかぬうちに、この適正量の2〜3倍以上の呼吸をしていることがあります。その主な原因は、口呼吸による過剰な呼吸です。

口呼吸による過剰な呼吸を引き起こす要因はいくつかあります。ストレスや不安、加工食品の摂取過多などの食生活、そして激しい運動によっても口呼吸が促進されることがあります。さらに、深呼吸が健康に良いという誤った思い込みも、口呼吸を増加させる要因の一つです。

口呼吸による呼吸過多の弊害

  • 血液中の酸素を体内に運ぶ二酸化炭素が足りなくなる
  • 体を酸化させるフリーラジカルが増える
  • pHバランスが崩れる
  • 気道が狭くなる
  • 血管が収縮して血流がわるくなる

結果として、倦怠感、(運動中の)息切れ、集中力の低下、睡眠障害、喘息、不安障害のほか、呼吸器疾患や心臓病、はたまた肥満にも繋がることがわかってきています。

私たちは、今こうしている間にも呼吸をしています。それほどまでに呼吸は、健康の基盤といえるほどのインパクトを持っています。

酸素だけではなく二酸化炭素も大事

ともすると呼吸においては、酸素だけにフォーカスが当てられがちです。一方の二酸化炭素は、吐き出される息とともに体外に排出されるだけのものとしてみなされたります。

何ごともバランスが重要で、二酸化炭素も体内で重要な役割を果たしているのです。

体内で活用できる酸素の量は、血液中にある二酸化炭素の量で決まります。二酸化炭素が、血液中の酸素を体内に運ぶのを助けるからです。そのため、二酸化炭素が足りなくなると、酸素が充分に運ばれなくなり、さまざまな不調の原因となります。

そして、二酸化炭素が足りなくなる理由の筆頭が「口呼吸」なのです。口呼吸だと呼吸過多になりがちで、大量の二酸化炭素が体外に排出されてしまうためです。

口呼吸による呼吸過多が習慣になると、二酸化炭素に過敏に反応する体質になり、二酸化炭素を排出しようと呼吸が過剰になっていくという悪循環にはまっていきます。

鼻呼吸よって、その悪循環を断ち切ることができます。本来、人や動物にとって鼻呼吸が自然な呼吸です。鼻呼吸をすることで、自然本来の呼吸を取り戻すことができるのです。

鼻呼吸で平地であっても高地のような呼吸が可能に

高地で暮らす人のほうが長生きである、という見方があります。その要因として高地の方が酸素が少ないことが挙げられています。

口呼吸から鼻呼吸に変えることで、自ずと呼吸量が少なくなり、平地であっても高地のような環境を再現できるのです。

呼吸量が少なくなると、二酸化炭素も体内に保持され、酸素を体のすみずみまでに行き渡らせることもできます。

鼻は万能分子「一酸化窒素」の貯蔵庫でもある

体外では有害な一酸化窒素が、体内では健康維持において重要な役割を果たすことは、しばしば科学者の間でも驚きをもって受けとめられています。

一酸化窒素には、気道や血管を拡張する働きがあり、血圧の調節、神経伝達、免疫などの幅広い側面において重要な役割を担っています。

一酸化窒素の働き

  • 高血圧を予防する
  • 抗ウィルスや抗菌の働き
  • 動脈硬化を防ぐ
  • コレステロール値を下げる
  • 心臓発作、脳卒中、がんなどの予防にもつながる

鼻は、そんな一酸化窒素の貯蔵庫であることが分かっています。鼻呼吸によって、鼻に貯蔵された一酸化窒素が肺と血液に送り込まれて、さらには全身に行き渡ります。口呼吸だと、息が鼻を通らないので、一酸化窒素の利点を活かすことができません。

鼻呼吸だからこそ、一酸化窒素の利点を最大限に引き出すことができるのです。

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